忍野村の茅葺屋根 1

UPDATE : 2016.11.20

---現状

当地忍野村には昔は相当数、あるいは時代をさかのぼった江戸期には、
ほぼ全戸が茅葺屋根だったと思われます。忍草地区には現在22軒程
しか残っていません。ただし、その内の半数は観光用施設に伴うもの
です。例えば、土産物店、食堂、水車小屋、あずまや等です。

白川郷では「結」をもちまして、村内の共同作業で茅収集、並びに茅
き替えしております。しかしながら、当地では「結」形式の作業形態
は現存しておりません。また、それをする職人も忍野村には存在して
おりません。当然、施工は外部の専門業者に頼ることとなります。

茅の収集と葺き替え、それに廃材となった茅の処理の総費用は大変な
もので、聞くところによると、大きなものでは一千五百万円ほどにな
るそうです。これでは、維持して未来に残すことの困難さが伺えます。
今後の課題といえましょう。
 つづく                      (堀内)

スーパームーン

UPDATE : 2016.11.14

今夜は月が今年1番大きく見える満月「スーパームーン」になりま
す。地球と月の距離は、満月としては68年ぶりとなる距離まで近
づきます。3割ほど普段より明るく見えるそうです。

月は、地球の周りを楕円形の軌道を描いて回っており、地球と月
の距離は35万〜40万キロ・メートルほどの間で変化しておりま
す。国立天文台によると、本日午後8時21分に地球と月の距離
が35万6509キロ・メートルまで接近します。
満月となるのは10時52分で、1948年1月の満月に次ぐ近さに
なると言われています。

残念ながら本日の天気は全国的に下り坂で、当地の予想は“雨”
となっています。68年ぶりの宇宙の饗宴が観れないとは!!
                           (堀内)

万葉集と黄葉(もみち、もみじは)

UPDATE : 2016.11.12

当地忍野村は紅葉(黄葉)の盛りです。一部では落葉が始まりました。
4800首ある万葉集に、「紅葉」が詠われるのはごく僅かです。
その多くは「黄葉」が用いられ、言葉も“もみち”あるいは“もみじ”
が使われました。1300年前の人々は秋になって葉色の変わり具合を、
紅変に重きを置かず黄変に注目したからです。
こんな時期であればこその万葉集歌を2首ご紹介しましょう。

※ 黄葉(もみちは)を 散らす時雨(しぐれ)に 濡れて来て
            君が黄葉(もみち)を かざしつるかも 
                        (久米女王)

 意) 時雨のために濡れてしまった貴方、散ったモミジの葉を
    髪飾りにしているなんて。素敵だわ。


※ あしひきの 山の黄葉(もみちは) 今夜もか
              浮かび行くらむ 山川の瀬に  
                         (大伴書持)

 意) 山にある黄葉した葉っぱが今夜も多く川に落ちてます。
    浮きながら川の瀬に溜まってそして流れていきます。

                            (堀内)

八番霊場 「菖蒲池」の和歌

UPDATE : 2016.11.2

八番霊場 「菖蒲池」の和歌

    あやめ草 名におふ池は くもりなき
             さつきの鏡 みるここち
 
意) 菖蒲という名前を持ったこの池は、まるで曇りない五月の
   鏡だ。菖蒲が心地よく映っているのが見える。
   
解釈)
 菖蒲池はつい先日まで外来種の「黄花菖蒲」(アヤメ科)で覆われ
ていました。和歌に詠われる「あやめ草」は古語で、日本種の“菖
蒲”(サトイモ科)に他なりません。多大な尽力の末、外来種を除去
して日本古来のそれを移植したのが現状です。
古来、香り良くて邪気を払う効能と、薬効ある菖蒲は端午の節句に菖
蒲湯に用いられていたことは周知です。より保護されなくてはならな
い植物と思います。完全復活まであと5〜8年を要すでしょう。

「名におふ」は“名に負う”でそういう名前を持ったという表現で
す。「くもりなき」は「鏡」につながることを考慮すると、水面が曇
っていないことを強調すべきでしょう。池の水そのものが曇っていな
いのは明白です。
「みるここち」の「みる」は“観る”、「ここち」は“心地”で、心良
い感じの心境を表しています。
 おわり                       (堀内)

七番霊場 「鏡池」の和歌

UPDATE : 2016.10.29

七番霊場 「鏡池」の和歌

   そこすみて のどけき池は これぞこの
           しろたへの雪の しずくなるらん

意) 底まで透き通るほど澄み渡ったのどかな池は、これはまさ
   しく富士山に降った雪が雫となった水でしょう。

解釈)
 逆さ富士が映ることで有名な鏡池ですが、昭和9年に「日本天然記
念物」に指定されたときに、それまでの池名=“コノシロ池”から変
わったものです。江戸時代に読まれた歌には当時の池名が含まれてお
ります。「これぞこの しろたえ」の“このしろ” がそれです。

 現在の湧水量は計測不可なほど少量ですが、昔はかなりな量だった
と言われております。富士に降った雨雪水が地中を伝わり、湧き水と
なっている光景を作者は感動を込めて詠んだのでしょう。

 「しろたえの」は雪にかかる“枕詞”です。「雪」を強調するもの
で、万葉集には無数の枕詞が登場します。名詞、形容詞、動詞とかを
強調して、語感を整えるものですからほとんどの場合、訳す必要のな
いものです。「しずくなるらん」の「なる」は“変化して成る”、
「らん」は事実の推量をあらわし、“でしょう”と理解します。
 つづく                      (堀内)